確定申告には、「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。

はじめての人は、確定申告と聞くとむずかしくて面倒なものというイメージがあるかもしれませんが、白色申告に関しては初めての人でもわかりやすく、申告の手続きも簡単です。

今回は、その白色申告について解説していきます。

白色申告とは

白色申告は、簡単に説明すると青色申告よりも簡単な申告方法です。

青色申告の場合、決算書(貸借対照表と損益計算書)の作成が必要で、簿記3級程度の会計知識が必要になりますが、白色申告は収支内訳書(収入と支出の内訳)で申告ができます。

また、青色申告は事前に税務署に青色申告の申請(届け出)が必要ですが、白色申告は届け出が不要です。

確定申告書と収支内訳書のみの提出

具体的に提出するものは、下画像の収支内訳書と確定申告に必ず必要な確定申告書の2つです。

確定申告書を作成するために収支内訳書が必要になってくるので、先に収支内訳書を作成します。読み進めればだんだんわかってくると思います。

【収支内訳書】

収支内訳書は下記ページからダウンロードできます。

国税庁:収支内訳書(PDF)

収支内訳書は1ページ目の中央一番下にある「所得金額」を算出するための書類です。ここで算出された「所得金額」は後述する確定申告書で必要になってきます。

 

たくさん項目があって確定申告をしたことがない人は「難しそう…」と思うかもしれませんが、該当しない項目は記入しなくてOKなので、多くのケースでほとんどが空欄になります。

例えば2ページ目は、

  1. 売上(収入)金額の明細
  2. 仕入金額の明細
  3. 減価償却費の計算
  4. 地代家賃の内訳
  5. 利子割引料の内訳
  6. 本年度における特殊事情

という6つの項目がありますが「1.売り上げ(収入)金額の明細」以外に該当する項目がなければそれ以外を書く必要はありません。

1ページ目もたくさん項目があって最初は「難しい」と思うかもしれませんが、わからないものは一つ一つ調べていって、該当しそうなものがあれば記入すれば良いです。

確定申告書は申告書Bを提出

確定申告とはそもそも確定申告書の提出をすることであり、白色申告の場合確定申告書Bという書類を提出します。

下の画像が確定申告書Bです。ちなみに申告書Aという書類もありますが、こちらは会社員やバイト、パート、フリーターが利用します。

【第一表】

【第二表】

【添付書類台紙】

 

確定申告書Bは下記ページからダウンロードができます。

国税庁:確定申告書B(PDF)

こちらもかなり記入項目が多くて最初は「こんなの無理だ…」と思ってしまいそうになりますが、よく見ればそれほど難しいものでもありません。

例えば表の左上、緑の部分の「収入金額等」のところは通常業務による収入のみであれば「営業等」にだけ記入すればOKです。

その下の青の部分の「所得金額」は収入から支出(仕入、経費)を引いたものを記入します。

「所得金額」は上述した収支内訳書で算出された数字が来ます。

下画像は収支内訳書の一部

記入するにあたって不明点などあれば、管轄の税務署に問い合わせすれば優しく教えてくれます。

最初はだれもわからないわけですから、気軽に訪問してみると良いですよ。

白色申告のメリットは手軽にできること

白色申告は先述した通り、内訳(売上、経費)を添付すれば良いだけなので、初心者にもわかりやすいことが特徴です。

面倒だと思われている記帳の作業も、とても簡単な記帳簿記の形式になります。

フリーランス初心者向け 青色申告の必要性と方法を解説でも解説していますが、フリーランスは本当は青色申告をするのが理想的です。

しかし青色申告は複式簿記で帳簿付けをする必要があり、会計ソフトを使う場合でも簿記3級程度の知識が必要になってきます。

確定申告書や収支内訳書にある用語が分からない初心者がいきなり青色申告をするのはとても大変です。

青色申告だと少しハードルが高くて難しそうという人は、まず白色申告で簡単な簿記や計算の仕組みを理解してから、青色申告にステップアップという形でも良いでしょう。

白色申告は確定申告そのものをやったことがない人にお勧めだと言えます。

白色申告のデメリット

青色申告よりも簡単な手続きだけあって、白色申告には受けられない特典があります。

大きなものとしては、節税効果の高い青色申告の特典を受けられないことです。

青色申告にはある特別控除を受けられない

青色申告には10万円と65万円の控除がありますが、白色申告には特典となる税額の控除がありません。

ちなみに65万円の控除というのは課税所得が195万円以上330万円以下(税率10%)の場合、所得税が6.5万円安くなる、ということを意味しています。

税率が20%の(課税所得330万円以上695万円以下)だと13万円所得税が安くなります。

これはかなり大きいです。青色申告は手間が掛かりますがそれだけ変わってくるのでフリーランスは青色申告をするべきなのです。

白色申告の場合、特別控除がないのでその分が青色申告と比べて損なんですよね。

赤字の繰越ができない

青色申告の場合最大で3年の赤字の繰越ができるので、翌年に利益が出た場合にその赤字を繰り越して節税がすることができます。

例えば前年で100万円赤字だった場合、翌年300万円の黒字があっても200万円の黒字、という扱いにすることができるのです。その分当然税金が安くなります。

白色申告だと損失を繰り越すことができません。前年がどんなに赤字だったとしても翌年が黒字だったらその分所得税が発生します。

配偶者控除・扶養控除が受けられない

青色申告では、自分の妻(または夫)や子ども、両親等が扶養に入っていれば、配偶者控除と扶養控除を受けることができます。

家族1人あたりにつき、最大で38万円の控除が受けられ、奥さんと子供2人の場合は、114万円になり、これを所得から差し引くことができますが、白色申告の場合、その控除も受けることができません。

白色申告でも記帳義務がある

以前は白色申告では帳簿義務がありませんでしたが、2014年以降白色申告でも記帳が必要になりました。

帳簿と言っても複式簿記ではなく単式簿記なので、単純に月単位くらいで取引先からの収入と仕入や経費等の支出を記帳すればOKです。

青色申告の場合総勘定元帳や内訳書、預金出納帳等それぞれ決まりに従った記帳が必要になりますが、白色申告の場合は内訳をしっかり「把握している」、「ちゃんと管理している」ということが分かれば特に決まり事はありません。

また、帳簿は保存する必要があり、法定関係の帳簿の場合は7年間、その他の帳簿や書類は5年間捨てずに保管しておく必要があります。

確定申告(白色申告)の手順

青色申告よりは申告の方法も簡単な白色申告。

特別な知識がなくても行うことができる実際の申告の手順について説明していきます。

1年間のお金を算出する

日々なにかしらの業務を行っていれば、そこには必ずお金の出入りがあります。

収入は「請求書」や「受領書」等、支出は領収書やレシート等を保管するようにしましょう。

現在は白色申告でも記帳義務があるので自分に合った頻度で記帳しておきましょう。

残しておいた収入、支出の記録1年間分(1月~12月)を確定申告前にまとめておきます。

収支内訳書の作成

上述した通り先に収支内訳書の作成をします。

収支内訳書には、一般用・農業所得用・不動産所得用の3種類がありますが、農業や不動産業務を行なっていない場合は、一般用のものを使います。

まとめておいた金額を、収支内訳書の記入欄に書いていきます。

記入する内容は、 1年間の収入・人件費・家賃などその他の費用を記載して、その年の事業利益を計算していきます。

ポイントは、収入・経費・所得の総額を割り出す作業を確実にしておくことです。

そうすると、あとの作業が格段に楽になります。

確定申告書の作成

所得税の確定申告書は、青色申告と同じ確定申告書Bを使用します。

フリーランス・個人事業主が使う書類は、確定申告書Aではなく確定申告書Bになるのでご注意ください。

手順としては、申告書に収入や源泉徴収額や保険料・年金額を順番に記入していきます。

その後、収入内訳表で算出した収入と所得を記入していきます

記入に関してわからない場合は税務署に相談してみましょう。

申告書の提出

収支報告書と確定申告書を書き終えたら、税務署にこれらの書類を提出します。

提出方法としては、自分で直接税務署に持っていく他に、郵送かインターネットによるe-taxがあります。

また、税務署に書類作成スペースがあり、そこで作成することも可能です。が、結構並んでいるので待たされます…

e-taxを利用する場合、事前に電子証明書の取得と開始届出書の提出をしておく必要があります。

電子証明書を使う場合は、カードリーダーや専用ソフトが必要になるので、詳しくは下記の国税庁のページをご参照ください。

参照:国税庁 e-tax

まとめ

ここまで、白色申告の申告方法について解説してきました。

青色申告よりも簡単な手続きな白色申告ですが、確実に確定申告をするのであれば、日頃からの記帳を怠らないことです。

領収書などの経費も経費科目ごとにしっかりと分けて記帳しておくことで、申告時期に慌てずにすみます。

フリーランスの場合、会社員とちがって税金関係で必要な手続きが多くなりますが、日頃からなるべく目を背けずに少しづつ準備をしておきましょう。