「個人事業主が支払う税金の種類ってたくさんあってよくわからない」

個人事業主として開業した方であれば、このような疑問を持つ方も多いと思います。

会社から独立して個人事業主になると、これまで会社が支払ってくれていた税金を自分自身で支払わなければならないため、大変ですよね。

しかし、個人事業主が支払う税金は5種類だけです。さらに、条件によってはそれよりも少なくなります。

今回の記事では、個人事業主が支払う税金の種類や納付期限などをご紹介します。

個人事業主として開業した方は、ぜひ参考にしてください。

個人事業主が支払う税金の種類

個人事業主が支払う税金の種類は、以下の5種類があります。

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税(分野による)
  • 予定納税(条件次第で)
  • 消費税(条件次第で)

納付月や控除、計算方法は以下になります。

 納付月控除計算方法
所得税2月16日~3月15日所得控除あり課税所得 = 収入 – 必要経費 – 所得控除
所得税 = 課税所得 × 所得税率 × 102.1% – 控除額
住民税6月、8月、10月、1月の4回に分けて住民税の所得控除あり課税所得 = 収入 – 必要経費 – 所得控除
所得割 = 課税所得 × 税率 – 税額控除額
個人事業税8月と11月の2回に分けて事業主所得 290万個人事業税 = (収入 – 必要経費 – 各種控除) × 税率
予定納税第1期 7月1日~7月31日
第2期 11月1日~11月30日
所得税 × 1/3 ×2

それぞれの税金について、みていきます。

所得に課される「所得税」

所得税は、稼いだ収入から経費や基礎控除などを引いた所得に課される税金です。

所得税は累進課税のため、所得が高くなれば高くなるほど、税率が上がります。

所得税の課税所得額や税率、控除額は以下のようになります。

課税所得額税率控除額
千円~194.9万円5%0円
195万円~329.9万円10%97,500円
330万円~649.9万円20%427,500円
695万円~899.9万円23%636,000円
900万円~1,799.9万円33%1,536,000円
1,800万円~3,999.9万円40%2,796,000円
4,000万円以上45%4,796,000円

所得税は、個人事業主が支払わなければならないメインの税金です。

所得税の支払いは、その年の確定申告書の提出期限と同じ日が納付期限で、確定申告で算出した金額を納付します。

現金での一括納付に加えて、銀行口座からの口座振替も可能になります。その場合は振替日が4月になるため、支払日が少し遅くなります。

地域社会の費用を負担する「住民税」

住民税の内訳は、2種類あります。

  • 都道府県民税
  • 市町村民税(東京23区のみ特別区民税)

上記の2種類の総称を住民税と呼んでいます。

都道府県民税と市町村民税の金額は、それぞれに掛かる所得割と均等割によって変わります。

均等割は、所得額に関係なく一律で金額が決まっています。

所得割は、所得額に応じた税率を掛けた金額です。

都道府県民税と市町村民税の所得割と均等割は、以下の表になります。

種別所得割均等割
市区町村納税課税所得×6%3,500円
都道府県納税課税所得×4%1,500円

住民税の支払い通知は、6月上旬ごろに郵送で通知されます。

納付方法は、一括納付と分割納付の2種類があります。

  • 一括納付:6月に一括で支払い
  • 分割納付:6月,8月,10月,1月の4回に分けて支払い

どちらの納付方法でも忘れずに納付しましょう。

70種の業種に課される「個人事業税」

個人事業税は、個人事業主が地方に納める税金です。

納める税金は、業種や所得によって変わります。

計算方法は、以下の計算式です。

(収入 − 必要経費 − 専従者給与等 − 各種控除)× 税率 = 個人事業税

控除の種類の一つに事業者控除があります。

事業者控除は、一年間営業していれば受けることができる控除です。控除金額は、一律で290万円となっています。

個人事業税の税率

個人事業税の税率は、業種によって異なります。

東京都を例にみてみましょう。

  • 第1種事業(37業種):税率5%
  • 第2種事業(3業種):税率4%
  • 第3種事業(30業種):税率3%、5%

個人事業税(東京都)

第1種事業は、一番多くの業種が対象となっており、飲食店業や広告業、物品販売業などが対象です。

第2種事業は、畜産業、水産業、薪炭製造業の3つのみになります。第3種事業のあんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復、その他の医業に類する事業の税率は3%です。その他の業種は、5%と分かれています。

個人事業税の計算をするために、あなたの業種が、住んでいる地域でどの事業に当てはまるか確認しておきましょう。

個人事業税の納付は、第一期分と第二期分に分かれており、それぞれ8月と11月に納付します。

所得税の前払い「予定納税」

予定納税を納める対象となる人は、前年の所得税額が15万円以上の人です。

予定納税は、支払う金額が増えるのではなく、事前に所得税を前払いする税金です。

そのため、次の確定申告では、所得税額から予定納税の額を差し引いた金額を納付します。

予定納税は6月中旬ごろに通知がきます。支払う金額や時期は、以下のようになります。

  • 第1期分 :7月1日〜7月31日、前年の所得税の3分の1
  • 第2期分 :11月1日〜11月30日、前年の所得税の3分の1

予定納税は、前年の申告納税額から計算されるため、確定申告で所得税額が業績不振などにより減って納付額が上回ってしまう場合があります。その場合は、還付加算金と呼ばれる利息も合わせて返してもらえます。

消費に課される「消費税」

消費税を納める対象となる人は、基準期間の課税売上金額が1,000万円以上の人です。

個人事業主の基準期間は、前々年度の2年前を指します。そのため、2年前に課税売上金額が1,000万円以上の個人事業主は、当年より消費税を納める必要があります。

独立して個人事業主になった場合の注意点

会社から独立して個人事業主となった場合の注意点は、税金は前年の所得に応じて支払わなければならないことです。

個人事業主として開業して売り上げが少ない場合でも、会社員時代の給与に応じた税金を支払わなければなりません。

  • 所得税
  • 住民税

上記の2つに加えて、国民年金と国民健康保険も自己負担となるので気をつけましょう。

まとめ

今回の記事では、個人事業主が支払う税金の種類や納付期限などをご紹介しました。

個人事業主が支払う税金を改めてまとめると以下の5種類です。

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税(分野による)
  • 予定納税(条件次第で)
  • 消費税(条件次第で)

個人事業主として開業すると、事業だけでなく、税金などの業務も行わなければなりません。

個人事業主として開業した方は、支払わなければならない税金について確認しておきましょう。

 

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