フリーランスになると、会社がやってくれていた確定申告や健康保険について、自らで管理していかなくてはなりません。

若いうちはそこまで深く考えずとも、年をとっていくにつれて、だんだんと準備していかなければならないのが、年金の問題です。

会社員であれば、厚生年金に加入しているので会社任せで問題ありませんが、実はフリーランスの場合、厚生年金には加入できません

厚生年金は、会社員・サラリーマンのための年金なので退職してフリーランスになるときに国民年金に切り替える必要があります。

この切り替えを忘れると年金を滞納してしまう可能性があるので、注意が必要です。

本ページではフリーランスの年金の問題について、分かりやすく解説していきます。

年金は3つの階層がある

上述した通りフリーランスの人は厚生年金に入れないので、国民年金へ加入しなくてはなりません。

その前に、年金の階層について理解しておく必要があります。

年金制度の中をのぞいてみると、実は三階層に分かれており、一階部分・二階部分・三階部分と、年金を上乗せしていく仕組みになっています。

年金の階層会社員フリーランス
一階部分国民年金
(基礎年金)
国民年金
(基礎年金)
二階部分厚生年金なし(個々で加入)
三階部分企業年金などなし(個々で加入)

※太字は強制加入

厚生年金はこの二階部分に相当する年金で、会社員が強制で加入する厚生年金と呼ばれる年金は一階部分の国民年金(基礎年金)と二階部分の厚生年金の二つに加入します。

更に企業によっては企業年金や厚生年金基金等三階部分の年金に加入するケースもあり、支払う掛け金も大きくなりますが、その分老後の受給額も大きいです。

フリーランスの場合、厚生年金や企業年金等はなく、一階部分の国民年金(強制加入)のみとなります。

フリーランスの二階部分以上に相当するのは、

  • 「国民年金基金」
  • 「付加年金制度」
  • 「確定拠出年金」
  • 「民間の個人年金保険」

といった年金制度です。

国民年金の保険料と受給額

国民年金の保険料は、物価の上昇率や実質の賃金などを考慮して、毎年改定されてます。

今年度の2018年の場合、月額の保険料は16,340円です。

まとめて前払いすると、割引きが適用されるので少しお得になります。

2年前納した場合、一回あたりの納付額は377,350円で割引額は15,650円、一年全納した場合は191,970円で割引額は4,110円です。

国民年金の受給額

次は「結局いくら支給されるのか?」という部分ですが、40年間(満期)に渡って年金をしっかりと納めた場合、65歳から月額約65,000円の年金が支給されます。

国民年金は40年間納めると、そこで支払いが終わります。
40年間もれなく納付した場合は受給金額が最大になりますが、40年間の内に未納の期間があると、この金額から減額されてしまいます。

満足に働くことのできない老後生活の日々の食費や生活費として考えると、この満額を支給されても、国民年金だけで十分な生活が送れるとは限りません。

そのため、他の年金を組み合わせる必要が出てきます。

 

参考:国民年金保険料|日本年金機構

参考:年金の受給(老齢年金)|老齢基礎年金

フリーランスの二階部分の保険

会社員のような厚生年金に加入できない分、フリーランスの人は、一階部分(国民年金)に上乗せした二階部分(その他の年金)の年金を積むことができます。

いくつか種類があるので、下記にその代表的なものを紹介します。

付加年金

付加年金は、独立した制度ではなく、国民年金に付随する年金の制度です。

国民年金保険料にプラスして、毎月400円支払うことで、将来の支給年金額を「加入月数 × 200円」だけ増やすことができます。

付加年金の特徴はいつ支払いはじめても2年間で元が取れるところです。

確定拠出年金(iDeCo)

確定拠出年金は、掛け金を自分で運用する年金制度です。

毎月の掛け金を5,000円から68,000円の間(1,000円単位)で設定して、支払った掛け金を投資信託などの金融商品で運用します。

実際に運用するのは銀行などの金融機関なので、こちらとしては運用の商品を選ぶだけです。

運用の成果に応じて将来の支給額が決まります。選ぶ商品によっては、運用がうまくいかなかった場合に元本割れ(元の掛け金よりも減る)の可能性があります。

もう一点注意したいのは、途中脱退しても年金がもらえる条件(老齢及び高度障害等)を満たすまで払い出しが出来ないことです。

フリーランスの場合収入が不安定な部分があるので払い込みした資金が戻ってこないのは万が一の際かなり痛手となります。

確定拠出年金は節税効果が高いのでメリットは大きいですが、条件を満たすまでは自由に払い出せないので、フリーランスの皆さんは注意しましょう。

個人向け確定拠出年金、iDeCo(イデコ)とは?メリットとデメリットまとめ

国民年金基金

国民年金基金は、複数のプランと口数を選択して、月額最大68,000円まで掛けることできます(受け取りは65歳以降になってから)。

自分のお財布事情と相談して、年金額を調整することができます(加入の途中での変更も可能)。

注意点は、こちらも原則として途中解約や途中脱退をすることができません。

景気が良くて儲かった年に国民年金基金に加入して、その翌年に景気が悪くなって儲からなくなったとしても、脱退することができません。

どうしても支払いがむずかしくなった場合は、相談をした上で、2年間支払いを止める事はできますが、解約をすることはできないので、その点は注意が必要です。

小規模企業共済について

年金制度ではありませんが、小規模企業共済という制度も知っておきましょう。

小規模企業共済制度は、フリーランス・個人事業をやめたときや会社等の役員を退職したとき、共同経営者を退任したときなどに、生活資金などをあらかじめ積み立てておくための共済制度です。

いわば、フリーランスのための退職金制度です

 

参照:中小機構|小規模企業共済

フリーランスには国民年金+上乗せ対策が必要

長い目で考えてみると、フリーランスの場合、国民年金の一階部分だけでは老後の生活に不安が残ります。

そうすると、二階部分の年金制度への加入を検討しなくてはなりません。

 

二階部分の「付加年金」や「国民年金基金」、「確定拠出年金」を掛ける利点としては、いずれも全額所得控除によって大きな節税効果が期待できることです。これは大きなメリットの一つです。f

たとえば、所得金額が400万円の人が、国民年金基金で年間30万円を掛金として払っていた場合、所得税と住民税でおよそ9万円の節税になります。

節税対策と同時に、年金を厚くする方法として考えると、フリーランスにとって上乗せ対策は必須事項といっても過言ではないかもしれません。

 

ただ、先述した通り公的な年金制度は加入は任意ですが、一度払い込みした保険料は自由に払い出せないことがデメリットとなります。

また、「付加年金」と「国民年金基金」は両方一緒にに加入することができないため、個々のビジネスやニーズのちがいによって、どちらかを選ぶ必要があります。

まとめ

ここまでフリーランスの年金について、まとめて紹介してきました。

もしこれからフリーランスになることを検討している人は、厚生年金から国民年金への切り替えを忘れないようにしましょう。

すでにフリーランスの方で、国民年金への切り替えをしていないなら、今すぐに手続きをすべきです。

国民年金は強制保険なので加入していないと最悪口座差し押さえとなります。※支払いが困難な場合は掛け金の減額や猶予等、年金事務所に相談すれば大丈夫です。

 

二階部分の年金制度は、老後に向けて貯蓄をたくわえられるだけではなく、短期的に見ると掛け金によって所得控除の効果が望むこともできます。

そういった目線も含めて、今はよくても老後の生活のために国民年金以外の年金も検討しておく必要があります。

月額の支払いは比較的少額からはじめられるので、それほど負担にはならないはずです。

長い目で見て、フリーランスの年金の問題について、今から取り組んでおくことをお勧めします。