よほど健康に自信がある人でも、いつどんな病気にかかってしまうかわかりませんし、思わぬ事故で病院に入院することもあるでしょう。

そのときに必ず必要になるのが健康保険です。会社員ならば自動的に加入している健康保険も、フリーランスの場合は自分で国民健康保険(国保)に申し込まねばなりません。

  • フリーランスでも健康保険への加入は義務なのか?
  • 健康保険にはどんな種類があるのか?
  • 一番良い選択とは

本ページでは特に上記3点を解説していきます。

健康保険への加入は義務


冒頭でも触れた通り日本の健康保険制度は、必ず加入しなければならない法律上の決まりがあります

会社を退職して国保の加入義務が発生したときに「加入手続きさえしなければバレないのでは?」と思う人もいますが、実は強制的に加入させられています。

加入させられているということは納付の義務が発生するので、滞納すれば処分を受けることになります。日本は無保険者という存在を認めていません。

何の加入の手続きもせず、どの保険にも属していない人がいたとしても、最終的に以前の保険を解約した日までさかのぼって、国保に加入させられます。さらに、そこからさかのぼって保険料も請求されます。

「必要ないから加入はしない」という理屈は通用しないのが健康保険です。

フリーランスにはどんな選択肢があるのか

分かりやすくまとめると、フリーランスには下記の4つの選択肢があります

  • 国民健康保険への加入
  • 健康保険組合を選択する
  • 家族の扶養保険に入る
  • 任意継続保険制度を利用する

この中のいずれかを選択する形になります。これから分かりやすく下記に解説していきます。

国民健康保険への加入

国民健康保険(通称・国保)は会社の社会保険(健康保険)に加入していない人すべてが加入する保険です。

一般的に自営業者、扶養家族に入っていない無就業者やフリーターなどが加入します。よって大半のフリーランスが加入するのが国民保険です。

国民健康保険に加入する場合、住民票を置いている市区町村役場の窓口で「国民健康保険被保険者資格取得届」の手続きを行います。

この手続きの期限ですが会社を退職した翌日(社会保険を喪失した日)から数えて14日以内なので、締め切りにご注意ください。

健康保険組合を選択する

健康保険組合とは、特定の職業の人のみが加入できる健康保険です。

健康保険組合の一番の特徴は、所得の金額にかかわらず納付金額が一律であることです。

ITフリーランスの人の場合は「文芸美術国民健康保険組合」という保険に加入できるケースがあります。

この保険は、美術や文芸、映画や写真関係などの職種につく人が加入対象ですが、広義のWEBデザイナーも含まれます。

ITフリーランスの人の場合、WEBデザインやWEB制作、アイコン作成などもその範疇に含まれるので、WEBデザイナーと名乗る人ならば対象者です。

参考:芸美術国民健康保険組合

家族の扶養保険に入る

奥さんやご家族が社会保険に加入していて、その扶養に入れる場合は扶養家族の枠に入れてもらうことができます。

扶養保険は、同居している家族の保険に被扶養者として入ることで、 特別な費用をかけなくても健康保険に入ることができるという制度です。

被扶養者として認定されるためには以下の条件があります。

  • 扶養される本人の年間収入が130万円未満で(60歳以上は年収180万円未満)、なおかつ家族(被保険者)の年間収入の半分未満であること。
  • 健康保険の被保険者と生計を共にしていること。
  • 退職日の翌日から5日以内に加入すること。

不足の病気や怪我でやむを得ず会社を退職し、その後でフリーランスを目指す人は「健康保険の被扶養家族になる」という選択肢は大いにありでしょう。

任意継続保険制度を利用する

これは退職する会社が加入していた健康保険組合の健康保険を継続する方法です。

退職日までに2ヶ月以上継続して社会保険に加入している人のみが利用できる制度です。

原則として、退職後の2年間まで継続することができます。

 

これから独立・フリーランスになる人なら、この任意継続保険を検討しても良いでしょう。

その代わり会社員時代に事業者と折半していた保険料も、任意継続の間は全額自己負担になります。

一般的に労使折半の割合は1対1、つまり半分を会社が負担していることが多いので(組合によって変わってきます)、会社員の給料から引かれる保険料の倍額を支払う必要があります。

また任意継続はルールが厳しく、1日でも納付期限を過ぎると資格を喪失してしまう恐れがあるので、その点も注意しましょう。

 

加入の手続きは、退職日の翌日(資格喪失日)から20日以内に、各都道府県の協会けんぽ支部や各健康保険組合(健保組合)で行います。

その際の保険料は退職時の標準報酬月額に対して、各都道府県が定める保険料率をかけて算出します。

標準の報酬月額は上限が28万円で設定されており、保険料率が変わらない限り加入期間中に保険料が変更されることはありません。

 

なので、前年度の所得で保険料の決まる国民健康保険が高額になってしまう人の場合は、任意継続を検討するとよいでしょう。

万が一、資格を喪失してしまったり、加入から2年経ったあとは、国民健康保険などの保険制度に切り替えなければならないので、ご注意ください。

会社退職後は国保と任意継続、どちらにすべきか


上述した4つのうち、会社員を辞めてこれから独立するすべての人に該当する保険は「国民健康保険」と「任意継続」です。

この2つではどちらがいいか。

任意継続保険の場合、これまでの健康保険が引き継げるという点では便利ですが、これまでは会社と自分とで保険料を折半していたものを、すべて自分で支払うことになります。

なので一般的に任意継続の保険料は会社員時代の健康保険の2倍程度となります。※組合によって変わってくる場合もあります。

 

国保の場合は前年の所得に応じた金額となります。

どちらが保険料が安くなるかはケースバイケースになりので、退職したらすぐにそれぞれの窓口(国保は役所、任意継続は健保組合)に保険料を聞いて比較しましょう。

任意継続は扶養家族も継続される

任意継続はそれまで勤めていた会社の保険を継続するような形となるので、会社員の頃に扶養に入っていた家族も継続されます。

例えば会社員時代に妻が扶養に入っていて退職した場合、自分だけでなく妻も健康保険を喪失するので新たに保険に加入する必要があります。

この際上述した国民健康保険(通称国保)に加入するケースが多いですが、実は国保は無収入であっても保険料(月額5,000円程度)が発生します。

任意継続と国保の保険料を比較する場合は扶養家族の分も考慮しておきましょう。

2年目以降は国保の保険料を事前に把握することはできない

任意継続保険の場合、契約そのものが最長2年で保険料は変わりません。

しかし国保は前年の所得に応じて保険料が変わってきます。そのため、2年目以降どちらが安くなるかまでは把握することは出来ないのです。

国保は所得が多ければ多いほど、つまり儲かれば儲かるほど保険料が上がっていきます。

独立した1年目の収入が会社員時代の収入を大きく上回る見込みがあるなら任意継続にしておいた方が安くなる可能性が高いです。

逆に独立して1年間の収入が会社員時代の収入を大きく下回る場合は、国保に加入しておいた方が安くなるでしょう。

まとめ

フリーランスになって初めて迎える健康保険の手続き、できるだけ早めに余裕をもって進めていくことをお勧めします。

多くの場合、国民健康保険か任意継続の二択になるかと思います。手続きや保険料を納付する方法は、県や自治体によってそれぞれ異なるので、くわしく相談は、各窓口へ問い合わせてみましょう。