会社員の場合は、書類を記入して提出するだけで会社側が年末調整をしてくれます。

しかしフリーランスや個人事業主の場合は、確定申告を自分で行わなければいけません。

確定申告の際によく耳にする「課税所得」という言葉。

税金関係は難しそうというイメージが強く、後回しにしている人もいるかと思います。

しかしひとつひとつの意味をしっかり理解しておかないと、書類作成が進まなくなってしまいます。

特に課税所得は確定申告の際に重要なワードとなりますので、しっかりと意味を理解しておく必要があります。

ここでは、課税所得とは一体何なのかを「課税所得という言葉をはじめて聞いた」という人に分かりやすく解説していきます。

今年初めて確定申告を迎えるフリーランスや個人事業主はぜひ参考にしてみてください。

課税所得とは?

課税所得とは、「課税対象所得」のことで、年間の収入から経費や控除額を引いた金額のことを表します。

これは所得税を算出する時に必要な金額で、課税所得の金額により自分で支払う所得税が決まります。

そのため、所得税を計算するためにはまず自身の課税所得を算出する必要があります。

収入、所得との違いを理解する

課税所得を算出する際「収入=所得」だと思っている人も少なからずいるかと思います。

下記の表を見ていただくと分かりますが、収入と所得は別物です。

確定申告の際には収入、所得、課税所得この3つの違いをよく理解しておく必要があります。

収入実際に稼いだ金額
(会社員でいうと年収にあたる金額)
所得収入から必要経費を引いた金額
課税所得所得から社会保険料控除や基礎控除などを引いた金額

フリーランスや個人事業主でいう収入とは、年間の売上や報酬額の合計です。

所得とは収入から必要経費を差し引いた金額です。

例えばフリーランスのwebライターやデザイナーが、仕事の為に買ったパソコンや購入した書籍代、クライアントとの打ち合わせのカフェ代などは全て必要経費です。

これらの必要経費を全て計算し、収入から差し引いた額が1年間の所得となります。

課税所得は、所得からさらに保険料控除や基礎控除などを差し引いた金額です。

課税所得の算出方法

では実際に課税所得はどのように算出するのかを解説していきます。

難しく思うかも知れませんが、下記の簡単な式に当てはまればすぐに計算することができます。

課税所得の計算式は、「年間の収入-経費-控除=課税所得」となります。

例えば収入が500万、経費が200万、基礎控除38万、青色申告控除65万の場合。

500-200-38-65=197

197万円が課税所得となります。

控除には上記の青色申告控除の他に社会保険料控除や生命保険料控除、扶養控除、医療費控除等様々なものがあります。

課税所得によって税率と控除額が変わる

所得税は課税所得と以下の税率(-控除)で算出できます。

下記の表が課税所得に対する税率と控除額の割合です。

所得から差し引く社会保険料控除や基礎控除の他に、課税所得からも課税所得控除を引くことができます。

課税所得控除とは所得税から差し引くことができる控除額です。

課税所得額税率控除額
千円~194.9万円5%0円
195万円~329.9万円10%97,500円
330万円~649.9万円20%427,500円
695万円~899.9万円23%636,000円
900万円~1,799.9万円33%1,536,000円
1,800万円~3,999.9万円40%2,796,000円
4,000万円以上45%4,796,000円

上記の表で確認すると、197万円の所得に対する税率は10%、課税控除額は97,500円です。

197万円×10%=19.7万円

197,000-97,500= 99,500円

つまり課税所得が197万円の場合の所得税は99,500円となります。

同じ収入でも納める税金が違う

例えば年収500万円のフリーランスが2人いたとします。

例1年収500万、必要経費100万、控除(基礎控除38万+青色控除65万)

500-100-(38+65)=297万(課税所得)

297×10%-97,500=67,800円(所得税)

例2:年収500万、必要経費300万、控除(基礎控除38万+青色控除65万)

500-300-(38+65)=97万(課税所得)

97×5%=48,500円(所得税)

このように同じ年収でも、実際に納める所得税は全く同じ金額ではないのです。

所得から差し引く必要経費の金額がそれぞれ違うため、課税所得が変わってくるからです。

上記の表を見ての通り、課税所得が少ないほど税率が低く課税所得が多いほど税率が高くなります。

収入が多ければ多いほど税率が上がる累進課税制度と呼ばれるものです。

所得が多ければその分、税金も多く払い所得が少ない人は税金の負担は軽く済みます。

先述した通り、所得税は課税所得の金額で決まります。

極端な話、所得が1000万あっても必要経費と所得控除で1000万差引くことができれば所得税は0となります。

まとめ

ここまで課税所得について解説してきました。

フリーランスや個人事業主になりたての人は、これから毎年確定申告の際に課税所得や経費は必要になってきます。

今後の節税対策をする為にも、自身の課税所得や必要経費がいくらだったかは覚えておくと良いでしょう。

所得税を抑えるためには、いかに必要経費を収入から差し引きできるかがポイントとなります。

事業に関係する領収書の中には「これも経費になるのかな?」と迷うものもあるかと思います。

仮に経費として認められなくてもペナルティはありませんので、全て経費として申告しておきましょう。