会社員は国民年金の他に厚生年金が自動的に加入されているので、国民年金と加えて厚生年金が受給されます。

自営業者は会社員と違い、年金制度に加入しなければ国民年金だけしか受給されません。

そのため、自営業者と会社員ではもらえる年金が大きく違ってきます。

自営業者が将来困らないようにするためには、年金制度に加入して備えておくことが大切です。

とはいえ、「どんな年金制度があるの?」「自分にはどれが良いんだろう」と疑問を抱える人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、自営業の方が加入できる4種類の年金制度について詳しくご紹介します。

自営業は年金の受給額が少ない

まず年金には、国民年金厚生年金保険の2種類があります。

国民年金は「基礎年金」とも呼ばれ、20歳以上60歳未満の国民は全員加入します。

保険料は定額で、加入期間に応じて支給額が決まる仕組みです。

 

厚生年金保健は、国民年金に上乗せして支給される年金で、会社員やサラリーマンなどが加入します。

自営業は会社員と違い、厚生年金に加入していません

そのため、年金対策をしていなければ国民年金(基礎年金)のみしか受け取れず、会社員より年金受給額が少ないです。

厚生労働省が公開している「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均支給額は月に55,464円。

民間企業の会社員などの「第1号厚生年金被保険者」に対する厚生年金の平均支給額は、月に145,638円です。

国民年金しか受け取れない自営業者と会社員を比べると、支給額に約9万円もの差があります。

自営業が加入できる4つの年金制度

自営業は公的年金は国民年金しかもらえないので、他の年金制度や商品を利用しましょう。

また、老後の収入に関わる年金制度や金融商品は安全性を第一優先にした運用ができるものを選ぶ方が望ましいです。

自営業が加入できる4つの年金制度は以下です。

  1. 国民年金基金
  2. 個人年金保険
  3. 確定拠出年金iDeCo(イデコ)
  4. 小規模企業共済

それぞれの支払額や税金の控除なども踏まえて解説していきます。

国民年金基金

国民年金と名前は似ているけど、違う制度です。

自営業者と会社員を比べると、将来の年金受給額に大きな差があります

国民年金基金はこの差額を解消するために生まれた制度で、自営業者のみ加入できます。

掛け金は自分で設定できるので、将来の見通しや事業の状況に応じて選べます。

少ない掛け金から始めて、事業が軌道に乗ったら掛け金を増やすことも可能です。

支払った掛け金はすべて所得控除の対象となるので、所得税や住民税の節税効果もあります。

デメリットとして、加入は任意ですが一度加入すると基本的に自己都合でやめることができない点があります。

そのため、まだ事業を始めたてで収入が安定していない自営業者は、少し様子を見てから加入することをおすすめします。

どうしても払えない場合は、2年間まで支払いを猶予することもできます。

また、物価スライド制に対応していないので、将来物価が上昇した場合でも受給額は確定しています。

実質的に受け取れるお金の価値が下がってしまうこともあり得るので、よく考えて検討してみましょう。

個人年金保険

公的年金とは別に、保険会社が提供している年金保険に加入するという手段です。

保健プランによって、内容は大きく異なります。

年金を受け取れる期間も、「60歳から65歳までの5年間」と一定期間で決められていたり、生涯受け取れたりと様々です。

また年金額によって「定額個人年金保険」と「変額年金保険」に分けられます。

定額個人年金保険は、契約時の一定の利率などを元に受給額が決められます。

変額年金保険は、年金の受給が開始する前日までの期間の運用実績によって、将来の年金額が変動します。

それぞれのメリット・デメリットを比較して、自分の将来プランに合った年金保険を選びましょう。

確定拠出年金iDeCo(イデコ)

確定拠出年金iDeCoは、自分でつくる年金制度です。

毎月一定の金額を積み立て、定期預金、保険、投資信託などの金融商品を選んで自ら運用します。

その結果によって将来受け取れる額が決まる仕組みです。

60歳になるまでは引き出すことができず、60歳以降に年金または一時金として受け取れます。

確定拠出年金iDeCoのメリットは、月額5000円からと少額で始められること

自営業を始めたての人でも、無理のない範囲でコツコツと積み立てられます。

積立金は全て所得控除の対象となるので、所得税と住民税に節税効果があります。

しかし国民年金基金と合わせて上限があるので、どちらも加入する人は注意が必要です。

小規模企業共済

小規模企業共済は、正確には年金制度ではなく退職金制度です。

月1,000円~7万円の間で毎月掛け金を積み立て、65歳になった後、退職金として一時金を受け取れる仕組みです。

小規模企業共済は年金制度ではないので、自営業を辞めたり、任意解約したりした時点で一時金を受け取れます。

他の年金制度よりも自由度が高いことがメリットです。

他の年金制度と同様、掛金の全額が所得控除の対象となるので節税できます。

しかし、掛金納付月数が20年未満だと解約手当金が掛け金の100%に達さず、元本割れとなってしまいます。

また、途中で減額した場合は減額分が運用されず放置されてしまいます。

最後まで掛金を払い続けられるように、掛け金ははじめから無理のない範囲で設定しましょう。

法人化すれば厚生年金も加入できる

安定的な事業売り上げがあるなら法人化して厚生年金に加入するのも良いでしょう。

ただ、法人化に合わせて他の税金が発生します。

所得が低い場合は、個人事業主の場合より税負担が重くなってしまう可能性もあります。

老後の年金を多く受給する観点からすれば法人化という手段も良いですが、よく考えた上で決めましょう。

自分に合った制度を選んで将来に備えよう

今回は、自営業者が加入できる年金制度についてご紹介しました。

公的年金の受給額が会社員に比べて少ない自営業者は、他の年金制度を活用して自分で備える必要があります。

様々な年金制度がありますが、加入すべき基準として支払額や税金控除はそれぞれ違います。

途中で脱退できた方がいいのか、掛金はいくらぐらいに設定したいのかをよく考え、今の状況やあなたのライフプランによって選ぶものを変えましょう。

年金なので、安全な投資をしてくれるものでないと、厳しいものがあります。

自分に合った制度を選んで、将来に備えましょう。