これからふるさと納税を利用しようと考えている方、ふるさと納税の意義は理解していますか?

現在は寄付を募るためにふるさと納税の趣旨に反した返礼品を送付している一部地域団体が問題になっています。

今回は、「ふるさと納税の趣旨に反した返礼品」がなぜ生まれたのか、今後のふるさと納税のあり方について解説していきます。

ふるさと納税の問題点は過熱する返礼品競争

現在、ふるさと納税が抱えている問題は返礼品競争が過熱している影響で、ふるさと納税の趣旨に反した返礼品が送付されていることです。

そもそも、ふるさと納税の意義としてはこれら3つがあります。

  1. 納税者が応援したい地域、お世話になった地域に納税できる
  2. 納税者が納税先を決めることで、税金の使われ方を考えるきっかけになる
  3. 納税される地域はその地域のアピールになる

納税された資金は、各地域の子育てや教育、まちづくりなどに使われています。寄付者は資金提供により、地域貢献ができる仕組みになっています。

また、自治体独自で地域のアピールとして寄付者に「返礼品」が送付されていますが、この「返礼品」が返礼品競争を生んだ元凶です。

寄付者は、返礼品の魅力度合いによってふるさと納税する地域を選ぶようになりました。

地域団体は、返礼品の魅力度合いで地域に入る寄付金額が大きく変わるので、現在もより魅力的な返礼品を送付する返礼品競争になっています。

競争が過熱した結果、今回の問題である「ふるさと納税の趣旨と反した返礼品」が送付されるようになりました。

この問題を解決するために総務省は「返礼品のあり方」について見直しています。

返礼品の目安は寄付金と返礼品価格帯の3割以内

返礼品競争の過熱によって、返礼品のあり方について見直されました。

結論から言えば、返礼品と認めてもらえるモノは「地域の地場産品であり、寄付額と返礼品の価格帯の割合が3割以内のモノ」です。

また、細かく言うのであれば、返礼品が対価の提供であってはならないということです。

返礼品はお礼の品であり、金銭のやり取りではいけないということ。

そして、少なくとも社会通念に照らし合わせ、良識の範囲内のもの。

少なくとも寄付額と返礼品の価格帯が3割を超えるモノはダメ。という認識です。

返礼品として認められないモノは換金率が高いモノ

返礼品として認められないモノは寄付額と返礼品の価格帯が3割を越えるモノです。

加えて、換金率が高いものも返礼品として認めてもらえません。

これまで、返礼品として送付されていたモノで、現在は認められないのはこれらです。

  1. 金銭類(プリペイドカード、ポイントカード、マイル、商品券、etc)
  2. 資産性の高いもの(電化製品、家具、貴金属、時計、楽器、etc)
  3. 価格が高いもの
  4. 寄付額と返礼品の価格帯が3割を超えるもの

今後は「良識のある自治体であるか、どうか」も寄付する基準になりそうですね。

参照:ふるさと納税に係る返礼品の送付等について(総務省)

2019年6月以降は寄附金控除の対象外となる可能性も

平成31年税制改正大綱によれば、「ふるさと納税の健全な発展に向けた制度の見直し」が行われます。

先述した問題が今後発生しないように2019年6月以降のふるさと納税寄付金控除の対象外になる地域が出てくる可能性があります。

対象外になる地域は、総務大臣がこれら基準に適合しないと認めた地域です。

  1. 寄付金の募集を適正に実施する都道府県等
  2. 1の都道府県等で返礼品を送付する場合、以下の2つを満たす都道府県等
  3. 返礼品の寄付金割合が3割以内
  4. 返礼品が地場産品であること

これらに反した地域に納税した場合、2019年6月以降寄附金控除が受けられない可能性があるので、注意しましょう。

参照:平成31年度税制改正大網

ふるさと納税の活用法として注目されるガバメントクラウドファンディング(GCF)

総務省は、ふるさと納税の取組をさらに拡大するため、ふるさと納税を活用した「ガバメントクラウドファンディング(GCF)」を進めています。

ガバメントクラウドファンディングの中で、2つのプロジェクトをすでに立ち上げています。

  1. ふるさと起業家支援プロジェクト
  2. ふるさと移住交流促進プロジェクト

それぞれ解説していきます。

ふるさと起業家支援プロジェクト

ふるさと起業家支援プロジェクトは、クラウドファンディング型のふるさと納税を活用した地域の起業支援です。

地方団体が地域課題の解決に繋がる事業を立ち上げる起業家に対して、ふるさと納税で募った資金で資金補助を行う制度です。

納税者は「ふるさと未来投資家」として位置付け、支援先の事業に継続的関心を向けられるよう定期的な事業報告なども行うそう。

また、プロトタイプの送付など面白い仕組みになっています。

ふるさと移住交流促進プロジェクト

ふるさと移住交流推進プロジェクトは、クラウドファンディング型のふるさと納税を活用して、継続的に支援している寄付者と移住交流を促進する取り組みです。

寄付者はふるさと納税をきっかけに継続的なつながりが支援されるのと、寄付者の中でも移住希望者には移住・定住の支援も行われます。

具体的には、継続的なつながりは交流会や事業報告会、移住・定住支援は空き家や古民家の整備、その周りの環境整備を支援する取り組みです。

ふるさと納税を理解した上で利用しよう

今回はふるさと納税の問題点である「返礼品競争の過熱」について解説してきました。

ふるさと納税のそもそもの意図を理解し、地域に貢献している気持ちを持ってふるさと納税をしましょう。

現在は、ふるさと納税のそもそもの趣旨から逸脱した状況になっています。

今後はふるさと納税のあり方を総務省が見つめ直す見解にあるので、ふるさと納税をする側も支援先の地域をしっかりと把握して寄付しましょう。

2019年6月以降は、ふるさと納税を利用しても「寄附金控除」を得られない地域もあるかもしれません。

それが得られる地域は、先述した「ふるさと納税寄付金控除の対象地域の基準」をもう一度確認してみてください。