会社員として勤めていると、会社が税金の処理をしてくれるため何も知らなくても生活できます。

しかしフリーランスになると自分で税金の管理をしなければなりません。

会社員のときにはなかった税金もあり、フリーランスが支払う税金は大きく6つあります。

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税
  • 消費税
  • 国民年金保険税
  • 国民健康保険税

税金について知らないまま会社員からフリーランスになるのは不安ですよね。

この記事ではフリーランスに必要な所得税と住民税を中心に「フリーランスが払う税金」をまとめました。

会社員からフリーランスへ移行を考えている方は是非ご覧ください。


※フリーランスの国民年金保険税国民健康保険税はこちらの記事を参考にしてください。

所得税と住民税は必ずかかる

フリーランスとして売上がある場合には所得税住民税を支払わなければいけません。

収入によって金額が決まる所得税

所得税は国税で国に収める税金です。

1月1日~12月31日までの1年間に得た所得に対して課税され、2月16日~3月15日の確定申告の期間に税務署へ納めます。

所得税は10種類あり、収入の形態によって計算の仕方や控除が異なります。

フリーランスに必ずかかってくるのが事業所得税で、これは事業で得た収入から経費や控除を引いた、所得が課税対象になります。

収入は入ってくるお金。そして所得はその収入から経費を引いたものです。

課税所得 = 収入 – 必要経費 – 所得控除

※所得控除の詳しい内容はこちらで解説しています。

 

日本の所得税は所得が増えるほど税率も増える累進課税制度です。

それに加え、2013年~2037年までの期間は復興特別所得税が所得税率×2.1%かかります。

課税所得額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円を超え 330万円以下10%97,500円
330万円を超え 695万円以下20%427,500円
695万円を超え 900万円以下23%636,000円
900万円を超え 1800万円以下33%1,536,000円
1800万円以上40%2,796,000円
4000万円超45%4,796,000円

所得税 = 課税所得 × 所得税率 × 102.1% – 控除額

地方に納める住民税とは

住民税は地方税で都道府県と市区町村に支払う税金です。

納付方法は普通徴収と特別徴収の2つがあり、フリーランスは自分で納付する普通徴収が当てはまります

確定申告をしていれば地方自治体から納税通知書が6月に届くので、普通徴収の場合は自分で申請する必要はありません。

6月、8月、10月、1月の4回に分けて住民税を納めますが、6月に一括で納めることも出来ます。

住民税は均等割と所得割の合計によって求めます。

均等割は納税者が均等に負担する税金で、市区町村税が3,500円、都道府県税が1,500円です。各自治体によって額は少し変わりますが合計でおおよそ5,000円です。

所得割は所得税と同じように、1月1日~12月31日までの1年間の所得や所得控除を元に課税所得を計算し、それに10%の税率を掛けたものです。

税額控除額はふるさと納税などの税額から直接差し引かれる控除です。

課税所得 = 収入 – 必要経費 – 所得控除

所得割 = 課税所得 × 税率 – 税額控除額

所得割の控除は所得税と同じように認められていますが、全く同じ金額ではありません。住民税と所得税で所得控除が異なるものは以下の通りです。

所得控除住民税所得税
基礎控除33万38万
配偶者控除33万38万
老人配偶者控除38万48万
配偶者特別控除上限33万上限38万
扶養控除33万38万
特定扶養控除45万63万
老人扶養控除38万48万
同居老親等扶養控除45万58万
障害者控除26万27万
特別障害者控除30万40万
同居特別障害者控除53万75万
寡婦・寡夫控除26万27万
特定寡婦控除30万35万
勤労学生控除26万27万

事業内容によってかかる個人事業税

個人事業税も住民税と同じで地方税です。

住民税と同じで、確定申告をしていれば地方自治体から納税通知書が8月に届きます。8月と11月の2回に分けて納めます。

個人事業主は個人事業税を納める義務があります。

法律で定められた70の業種に課税され、それぞれの業種によって税率が異なります。

しかし全ての個人事業主が課税されるわけではありません。

ライターや作家などの文筆業の人は課税業種に当てはまらないので個人事業税を納める必要はありませんが、注意しなければならないことがあります。

それは「開業届に法定の業種に当てはまらない業種を記載したから課税されない」というわけではなく、あくまで業種の実態で判断されるということです。

区分税率
事業の種類
第1種事業
(37業種)
5%物品販売業運送取扱業料理店業遊覧所業
保険業船舶定係場業飲食店業商品取引業
金銭貸付業倉庫業周旋業不動産売買業
物品貸付業駐車場業代理業広告業
不動産貸付業請負業仲立業興信所業
製造業印刷業問屋業案内業
電気供給業出版業両替業冠婚葬祭業
土石採取業写真業公衆浴場業(むし風呂等)-
電気通信業席貸業演劇興行業-
運送業旅館業遊技場業-
第2種事業
(3業種)
4%畜産業水産業薪炭製造業-
第3種事業
(30業種)
5%医業公証人業設計監督業公衆浴場業(銭湯)
歯科医業弁理士業不動産鑑定業歯科衛生士業
薬剤師業税理士業デザイン業歯科技工士業
獣医業公認会計士業諸芸師匠業測量士業
弁護士業計理士業理容業土地家屋調査士業
司法書士業社会保険労務士業美容業海事代理士業
行政書士業コンサルタント業クリーニング業印刷製版業
3%あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復
その他医業に類する事業
装締師業

 

控除は主に事業主控除290万と、損失が出た時に適応される3つの繰越控除が適応されます。

所得控除や青色申告特別控除などは適応されません。

個人事業税 = (収入 – 必要経費 – 各種控除) × 税率 

 

予定納税基準額が15万を越えると予定納税が必要に

予定納税とは一言で言えば、前払いで所得税を納めることです。

前年度の所得が一定額に達した人は、翌年は確定申告時に前払いをするということです。

翌年の確定申告では、所得税から予定納税で納めた税額を差し引いた額を納税します。

5月15日時点での予定納税基準額が15万円以上の場合、6月中頃に所得税の予定納税通知書が届きます。

納税額は前年度の所得税を1/3ずつ、2期に渡って納めます。

  • 第1期 7月1日~7月31日
  • 第2期 11月1日~11月30日

予定納税は所得税の前払いですが、特別な手続きをせずに期間内に納めることが出来ないと、他の税金と同じように延滞税が発生するので注意が必要です。

還付申請ができる

もちろん前払いなので、予定納税で納めた税額が翌年の所得税より少ない場合は、還付申請をすることで還付金として返金されます。

そのさい、年利1.6%の還付加算金という利息が付きます。(2018年時点)

還付申請は確定申告の時期の前からできるので早めに申請しておくと早めに返ってきます。

減額申請ができる

6月30日の時点で、前年度より売上が良くない場合は、減額申請書を税務署へ提出することことが出来ます。

申請時期は以下の通りです。

  • 第1期分と第2期分の減額申請をする場合、7月1日~7月15日
  • 第2期分だけの減額申請をする場合、11月1日~11月15日

売り上げ1,000万を越えると消費税の納付が必要

一般消費者の時は、サービスを受けたときや物を買った時に支払うだけでした。

しかし個人事業主や法人は、消費者から受け取った消費税を税務署に申告、納付するという義務があります。

消費税は、前々年の課税売上高が1,000万円を超える事業者は納める必要があります。

開業して2年間は免税事業者でいられるので消費税の納税は免除されます。

また、もし前々年の課税売上高が1000万円を超えない場合でも、特定期間(前年の1月1日~6月30日)に課税売上高および給与支払額が1000万円を超えていれば課税従事者となります。

 

それぞれの延滞税

支払期日を過ぎて、税金が支払えない場合は延滞税がかかってきます。

2ヶ月以上延滞すると税率が2倍以上になるので、もし延滞してしまった場合には2ヶ月以内の納税をおすすめします。

延滞2ヶ月未満

以下のどちらかのうち低いほうが適応されます。

  • 年率 7.3%
  • 特例基準割合 +1%

延滞2ヶ月以上

以下のどちらかのうち低いほうが適応されます。

  • 年率 14.6%
  • 特例基準割合 +7.3%

 

 

どのくらいの税金を支払う必要がある?

この記事で述べてきたとおり収入や業種によって支払う税金は異なります。

以下のような家族の場合を例にあげて税金を計算してみます。

  • 前年の収入:480万
  • 職業:デザイナー
  • 家族構成:夫(30歳)、妻(25歳)
  • 配偶者の働き方:パート収入103万円

所得税は?

夫の場合

課税所得 = 収入 – 必要経費 – 所得控除

所得税 = 課税所得 × 所得税率 × 102.1% – 控除額

これらの計算式に当てはめて計算していきます。

当てはまる控除が

  • 基礎控除:38万円
  • 配偶者控除:38万円
  • 青色申告特別控除:65万円

必要経費を80万円とした場合、

課税所得 = 4,800,000 – 800,000 – 380,000 – 380,000 – 650,000 = 2,590,000

所得税 = 2,590,000 × 10 % × 102.1% – 97,500 = 166,939

ということで所得税の納税額は166,900円となります。

 

妻の場合の控除は

  • 給与所得控除 65万円
  • 配偶所控除が 38万円

課税所得 = 1,030,000 – 650,000 – 380,000 = 0

よって妻の所得税はありません

住民税は?

夫の場合

平均割は5000円。

課税所得 = 収入 – 必要経費 – 所得控除

所得割 = 課税所得 × 税率 – 税額控除額

この計算式に当てはめ所得割を求めます。

所得控除は所得税と住民税のときで違います。

住民税の所得控除で当てはまる控除が

  • 基礎控除 33万円
  • 配偶者控除 33万円
  • 青色申告特別控除 65万円

必要経費が80万円なので、

課税所得 = 4,800,000 – 800,000 – 330,000 – 330,000 – 650,000 = 2,690,000

所得割 = 2,690,000 × 10% – 0 = 269,000

住民税は平均割と所得割の合計なので、

住民税 = 5,000 + 269,000 = 274,000

ということで住民税の納税額は274,000円となります。

 

妻の場合

平均割は5000円。

住民税の所得控除に当てはまる控除が

  • 給与所得控除 65万円
  • 配偶者控除 33万円

よって所得割は、

課税所得 = 1,030,000 – 980,000 = 50,000

所得割 = 50,000 – 10% – 0 = 5,000

住民税は平均割と所得割の合計なので、

住民税 = 5,000 + 5,000 = 10,000

ということで住民税の納税額は10,000円となります。

個人事業税は?

個人事業税 = (収入 – 必要経費 – 各種控除) × 税率

個人事業税は所得控除や青色申告特別控除などは適応しないので事業主控除の290万円だけ適応します。

デザイン業は税率が5%です。

個人事業税 = (4,800,000 – 800,000 -2,900,000) × 5% = 55,000

ということで個人事業税の納税額は55,000円となります。

予定納税は?

所得税が166,900円で予定納税基準額が15万円以上なので予定納税をしなければなりません。

所得税の1/3なので、予定納税額は55,600円

それを2回に渡って納めるので、111,200円です。

 

世帯で見た税金

この年に収める夫と妻の税金は以下の通り。

  • 所得税:夫 166,900円 妻 0円
  • 住民税:夫 274,000円 妻 10,000円
  • 個人事業税:55,000円
  • 予定納税:111,200円

合計:617,100円

 

確定申告の処理

確定申告とは1月1日~12月31日までの1年間に生じた売上や経費などを計算し、税務署へ申請することを言います。

会社員の場合は、会社が計算を行い税金を納めてくれる源泉徴収制度なので確定申告をする人は少ないと思います。

しかしフリーランスなどの個人事業主は全て自分で税申告を行わなければなりません。

※確定申告の詳しい内容はこちらで解説しています。

 

まとめ

この記事ではフリーランスにかかる税金について解説しました。

 納付月控除計算方法
所得税2月16日~3月15日所得控除あり課税所得 = 収入 – 必要経費 – 所得控除
所得税 = 課税所得 × 所得税率 × 102.1% – 控除額
住民税6月、8月、10月、1月の4回に分けて住民税の所得控除あり課税所得 = 収入 – 必要経費 – 所得控除
所得割 = 課税所得 × 税率 – 税額控除額
個人事業税8月と11月の2回に分けて事業主所得 290万個人事業税 = (収入 – 必要経費 – 各種控除) × 税率
予定納税第1期 7月1日~7月31日
第2期 11月1日~11月30日
所得税 × 1/3 ×2

これからフリーランスになる人も、税金はどうなるか不安な人も、税金のことがわかったのではないのでしょうか。

予想外の税金の支払いにに慌てないように、ぜひこの記事を参考にしてみてください。