会社員だと、仕事を辞めたときには退職金を受け取れるので、すぐ生活に困ることはないかもしれません。

しかし、フリーランスには退職金制度はありません

転職活動や家庭の事情などで今の仕事を辞めた場合、収入源は一切なくなってしまいます。

今は何とか生きていけても、ずっとその状態を保てるかどうかは誰にも分かりません。

フリーランスは自分で将来に備えておく必要があるのです。

そこで今回は、フリーランスの退職金の代わりとなる「小規模企業共済」をご紹介します。

「なんとなく将来が不安」というフリーランスは、この記事を参考に将来の備えについて検討してみてください。

フリーランスは会社員と違って退職金がない!退職金の代わりとなる小規模企業共済

フリーランスには、会社員と違って退職金がありません。

そこでフリーランスの退職金の代わりとなるのが、小規模企業共済です。

小規模企業共済とは、中小機構(独立行政法人中小企業基盤整備機構)が「経営者にも退職金を!」をコンセプトとして提供している、40年もの歴史がある制度です。

対象となるのは、その名の通り小規模な事業を行っている個人事業主や法人の役員。

毎月掛け金を積み立てて、事業を廃止したときに解約して共済金を受け取れます。

掛け金は月1,000円から70,000円の間で、500円刻みで自由に設定できます。

増額、減額が柔軟に可能で、まだ収入が安定していないフリーランスでも無理のない範囲で始められます。

小規模企業共済をフリーランスが利用するメリット3つ

1.掛け金は所得控除の対象に!受け取る際も節税効果が高い

小規模企業共済は、将来への備えとしての役割だけでなく節税効果もあります。

積み立てた掛け金は全額所得控除の対象になります。貯金したつもりで積み立てておくことで節税が可能となるのです。

また共済金(解約手当金)を受け取る際も、個人事業主であれば「退職所得」として扱われます。

控除があるので、事業所得と比べると税負担がかなり軽くなります。

課税対象となる所得金額を計算するとき、事業所得の場合は「収益-費用=所得」です。

しかし退職所得の場合は、「(退職金-控除額)×1/2=所得」となります。

課税対象となる所得金額が小さくなるため、税金が安くなります。

2.将来お得にお金を受け取れる

小規模企業共済を利用して積み立てておけば、将来お得にお金を受け取れます。

20年(240ヶ月)以上積み立てることで、掛け金の100%以上は確実に給付されます。

掛金納付期間によっては最大で120%相当額を受け取ることも可能です。

フリーランスの収入は、どうしても不安定になりがちですよね。

将来まとまったお金を受け取れるのは嬉しいメリットでしょう。

3.資金繰りに困った時に利用できる

フリーランスとして仕事をしていると、突然お金が必要になることもありますよね。

金融機関から貸りたくても、社会的信用の薄いフリーランスにとっては狭き門です。

資金繰りに困った時にも、小規模企業共済で積み立てておけば貸付を利用できるので安心です。

掛金の納付期間に応じて貸付限度額が設定され、その範囲内なら無担保・無保証人にて事業資金の貸付けを受けられます。

一般の貸付だけでなく、病気や怪我、災害で被害を受けた時の「傷病災害時貸付け」など、もしもの時は低金利で借りられる制度が用意されています。

短期で解約する場合は注意が必要

小規模企業共済では、納付月数に応じて掛金の80%から120%に相当する額が給付されます。

任意解約の場合は受け取れなかったり、受取金額が少なくなったりすることもあります。

納付月数が12ヶ月(1年)未満で解約となった場合は掛け捨てとなり、納付期間が20年未満だと元本割れします。

しかし元本割れしても節税効果はあるので、一概に損するとは言えません。

また、個人事業を廃業した場合や事業を譲渡した場合は、元本が100%戻ってくる仕組みとなっています。

iDeCoと併用することで将来への備えがより強くなる

小規模企業共済と合わせてiDeCoを併用することで、将来受け取れるお金が増えます。

iDeCoとは、毎月掛け金を積み立て、それを自分自身で運用して原則60歳以降に受け取れる仕組みです。

「2階建て構造」となっている会社員の年金と違い、受け取れる金額がかなり少ないフリーランスの年金。

iDeCoはそれを補って、年金の代わりとなる制度です。運用するものには「投資信託」や「定期預金」などが用意されており、自分で選べます。

掛金は月5,000円から1,000円単位で選ぶことができます。

関連記事:個人向け確定拠出年金、iDeCo(イデコ)とは?メリットとデメリットまとめ

働けなくなった時が不安な方は所得補償保険制度の利用がおすすめ

フリーランスは労災保険に加入できないので、病気や怪我で働けなくなったら収入がストップしてしまいます。

養っている家族がいる場合は、その家族も生活に困ってしまいますよね。

そんな事態に備えて、所得補償保険などを利用するのがおすすめです。

1年~5年の一定期間、最長60歳まで毎月一定の金額を受け取ることができます。

税込み年収の最大60%ほどが補償されるので、万が一病気や事故で働けなくなっても安心して治療に専念できます。

関連記事:フリーランスは生命保険は必要?加入が必要な方の特徴を解説

フリーランスの退職金代わりとなる小規模企業共済

今回は、退職金のないフリーランスにおすすめの小規模企業共済と、しておくべき将来の備えについてご紹介しました。

  • 掛け金は所得控除の対象になるので節税できる
  • 受け取るときは「退職所得控除」で税負担を軽減
  • 20年以上の積み立てで掛け金の100%以上が給付される
  • 資金繰りに困った時に利用できる
  • 1年未満で解約は掛け捨て、20年未満だと元本割れのリスクもある
  • 年金を補う「iDeCo」で老後に備える
  • 所得補償保険制度で万が一の病気や事故に備える

収入が不安定で、何かと将来に不安要素が多いフリーランス。

小規模企業共済を活用することで、節税効果を得ながら万が一の事態にも備えることができます。

掛け金は少額から自由に設定できるため、収入の少ない駆け出しのフリーランスでも気軽に始めやすいです。

将来に備えて、ぜひ検討してみてください。