会社員の場合は毎月給料日に決まった額の給与を会社から振込んでもらえるので、生活費などの支出の計算や手元にいくら残るのかなどの計算もしやすいですよね。

しかし個人事業主になると会社員の時とは違い、固定給や月給制ではないので給料日というものはありません。

その為、毎月の収入や手元に残るお金というのは変わってきます。

では個人事業主の場合はどのようにして、自分の生活費や収入の管理をしたらいいのでしょうか。

ここでは、個人事業主の給与に対する考え方について解説していきます。

個人事業主が受け取れるのは給与ではなく報酬

先述しましたが、個人事業主には給料日はありません。

個人事業主の場合、仕事をして受け取れるのは給与ではなく報酬となります。

給与と報酬の違いは雇用関係があるかないかです。

会社員の場合は会社に雇用され働いているので、「給与」となります。

しかし個人事業主の場合は誰かに雇用をされているわけではありません。

仕事をする際クライアントと仕事の契約を交わしますが、それは雇用契約ではなく「いつまでにこの仕事を仕上げてください」という契約になり、その仕事が終われば労働の対価として報酬が支払われます。

基本的な考え方としては、「収入−経費=所得」となります。

この所得が個人事業主にとっての利益となるので、所得額が多い方が嬉しいと思うかもしれません。
しかし実際は所得が多いほど税金がかかるので、いかに所得を経費や控除で下げれるかの方が重要です。

収入は収入証明書で確認

個人事業主は会社員のように給与明細はありません。

個人事業主が1年間でどれだけ収入があったかを確認する手段は「収入証明書(または所得証明書)」となります。

この収入証明書には、一年間の収入と控除額、市民税などが記載されています。

市区町村の役場に行けば発行してもらえます。

他にも源泉徴収書や毎年6月頃送付されてくる住民税納税通知書、確定申告書類も収入証明書として使用することができます。

生活費の管理について

会社員の場合は毎月の給与から生活費を差引いて使うのが普通ですよね。

しかし「給与」が存在しない個人事業主の場合は、事業の資産から生活費を支払う必要があります。

個人事業主は生活費を経費にすることができません。

そのため帳簿付けをして、資産から差し引かれたのが経費なのか生活費なのかを明確に分ける必要があります。

その時に使うのが、事業主貸事業主借です。

ここではこの2つについて解説していきます。

事業主貸

生活費など事業に関係のないプライベートの支出があった場合には、事業主貸で帳簿付けをします。

個人事業主の場合は、事業用とプライベート用と口座を分けずに一つの口座でお金を管理していることが多いです。

そのため、このように個人的な支出があった場合は帳簿で生活費の管理をすることが必要になります。

また、生活費以外にも

  • 所得税
  • 住民税
  • 予定納税
  • 国民健康保険
  • 国民年金
  • 延滞税

なども事業主貸で帳簿付けを行います。

事業主借

逆に、事業に使うためのお金を個人的な預金から立て替えた場合は事業主借で帳簿付けをします。

例えば、仕事の打ち合わせで使用したカフェのコーヒー代を、ポケットマネーで立て替えた場合です。

これは経費を個人の預金で立て替えたことになりますので、事業主借となります。

事業主貸、事業主借は必須なのか?

青色申告をする場合、帳簿付けは必須です。

 

個人事業主には給与という概念がないという話をしましたが、報酬の一部を生活費として引き出すため帳簿付けをしていないと、入ってきたお金がどこにいったのか分からなくなってしまうからです。

その為、事業主貸と事業主借の帳簿付けは必要なのです。

また、年をまたぐとこの二つは相殺され、元入金として集約されます。

所得(利益)を個人でたくさん使用した場合、元入金はマイナスになってしまいます。

元入金がマイナスになっていても問題はありませんが。

しかし、この元入金は法人でいう資本金にあたるので、プラスから新しい1年をスタートさせることが理想です。

帳簿付けには会計ソフトを使用している人が多いです。
ただし簿記3級程度の知識はあった方がいいので勉強は必要ですが、収入と支出の管理をしっかりすることは、事業を行う上で大切なことなので帳簿付けはするようにしましょう。

まとめ

ここまで、個人事業主の給与に関する考え方について解説してきました。

会社員のように給料日がなく固定給でもない個人事業主の収入は、毎月変わります。

その為、お金の管理というのは個人事業主にとって大事なことです。

プライベート用に使用していたお金の中に実は経費にできるものがあった!ということもありますので、しっかりとお金の収入と支出を管理することが重要です。

青色申告を考えていて、特別控除の65万円を受けたいと思っている人は帳簿は必要ですので、確定申告直前になって焦ることのないように注意してください。